超知能はすぐそこまで来ている
マイクロソフトのAI責任者、ムスタファ・スレイマン氏が「超知能(Superintelligence)の到来は思っているよりずっと近い」と発言した。この発言は技術コミュニティに大きな波紋を呼んでいる。彼が言う超知能とは、あらゆる知的作業において人間を凌駕するAIシステムのことだ。OpenAIのサム・アルトマン氏や他のシリコンバレーのリーダーたちも同様の見解を示しており、AGI(人工汎用知能)の実現タイムラインはここ数年で急速に短縮されつつある、というのが業界の共通認識になりつつある。
正直に言うと、僕自身もここ一年でモデルの性能向上スピードに圧倒されることが多くなった。GPT-4が出た時も驚いたが、それ以降のアップデートのペースは予想をはるかに超えている。スレイマン氏の発言を聞いて「さすがに大げさでは」と思う部分もある一方で、「実はそうかもしれない」という感覚も正直ある。
それでも「仕事は奪われない」という主張
スレイマン氏が同時に強調したのは、超知能が到来しても人間の雇用はなくならないという点だ。彼の論拠はこうだ。AIはあくまでも人間の能力を「補完」するツールであり、新しい技術が登場するたびに新しい職種が生まれてきた歴史がある。産業革命しかり、インターネット革命しかり。今回のAI革命も同じ流れをたどるというわけだ。
この主張は楽観的すぎるという批判も多い。確かに過去の技術革命では最終的に雇用総数は増えた。しかし今回は「知的労働」そのものがAIに代替されるスピードと規模が、過去とは根本的に異なる可能性がある。コーディング、文章作成、分析業務など、これまでホワイトカラーの専売特許だったタスクが急速に自動化されていることは、エンジニアとして日々実感している。
エンジニアとして今考えるべきこと
僕が思うのは、スレイマン氏の発言の真偽よりも、「自分がAIとどう向き合うか」を今すぐ考えることの方が重要だということだ。AIを使いこなせる人間と、そうでない人間の間には、すでに生産性の面で大きな差が生まれ始めている。超知能が来る前に、まず目の前にある現在のAIツールを徹底的に活用することが、エンジニアとしての現実的な生存戦略だと考えている。
「AIに仕事を奪われるかどうか」という問いよりも、「AIをどれだけ自分の武器にできるか」という問いを立てた方が建設的だ。スレイマン氏の楽観論を鵜呑みにするわけでも、過度に悲観するわけでもなく、冷静に技術の動向を追いながら自分のスキルをアップデートし続ける。それが今の自分にできる唯一の正直な答えだと思っている。
