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AIと大麻ベイプとビットコインが融合した奇妙なガジェットを追いかけてみた

AIと大麻ベイプとビットコインが融合した奇妙なガジェットを追いかけてみた

「AIベイプでビットコインを稼ぐ」という謎のデバイス

最初にこのニュースを見たとき、正直「またか」と思った。AIと暗号通貨とウェアラブルデバイスを無理やり組み合わせた、いかにもバズを狙ったプロダクトの匂いがプンプンする。だが、エンジニアとして無視できない好奇心が湧いてきたのも事実だ。実際に調べてみることにした。

このデバイスは、大麻(カンナビス)用のベイプ端末にAIチップとブロックチェーン連携機能を搭載し、ユーザーが「吸う」という行為をするたびにビットコインやそれに類するトークンが報酬として付与される仕組みだという。「Smoke-to-Earn」とでも呼ぶべきモデルで、かつて一世を風靡した「Play-to-Earn」や「Move-to-Earn」の流れを汲んでいる。

技術的な仕組みを冷静に解剖する

センサーが吸引回数や吸引量を計測し、そのデータをブロックチェーン上にオンチェーンで記録する。AIはユーザーの消費パターンを学習し、パーソナライズされた「報酬スケジュール」を提示するらしい。これ自体の技術的な発想は、ヘルスケアIoTと大差ない。心拍数や歩数を計測してトークンを配布するアプリと構造は似ている。

ただ、冷静に考えると問題点が山積している。第一に、報酬として配られるトークンの原資はどこから来るのかが不透明だ。多くのPlay-to-EarnやMove-to-Earnプロジェクトが最終的に崩壊したのは、トークン経済の設計が破綻していたからだ。第二に、AIが「何を学習しているのか」という点も曖昧で、マーケティング上のbuzzwordとしてAIという言葉が貼り付けられているだけの可能性が高い。個人的には、ここにある「AI」はほぼ飾りだと思っている。

さらに法的グレーゾーンの問題もある。大麻が合法の地域でのみ展開されているとはいえ、金融規制当局がこうした「行動インセンティブ型トークン」をどう分類するかはまだ定まっていない。

これはジョークか、それとも本気のビジネスか

調べれば調べるほど、これが純粋なジョークプロダクトとは言い切れない点が見えてきた。背後には実際の開発チームとスタートアップがいて、小規模ながら投資も受けている。大麻テック市場とWeb3の交差点を狙ったニッチ戦略という見方もできる。

エンジニアとして率直に言えば、技術的な新規性はほぼゼロに近い。IoTセンサーとブロックチェーンウォレットを繋ぐだけなら、既存の技術スタックで十分に実現できる。面白いのはビジネスモデルの発想の奇抜さであって、テクノロジーの革新性ではない。

それでも、こういうプロダクトがメディアに取り上げられ、人々の注目を集めるという事実は、AIとWeb3に対する世間の期待値と混乱の深さを象徴していると思う。「AIと言えばすごそう」「ビットコインと言えば儲かりそう」という心理を巧みに突いている。我々エンジニアは、こうした表面的なバズワードの裏側を冷静に見極める目を持ち続ける必要がある。

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